丘にグランドカバーを植える
2020年04月25日

季節が暖かくなり丘にモリモリと雑草が生えてくるようになった。刈っても抜いても生えてくる。
完全に除草しても1週間経てば元通りになる勢いだ。
彼らが小さな姿をしているのは出てきたばかりの今だけで、放っておけばユキヤナギの苗くらいは容易に飲み込むサイズになる。

この地上部の6倍程の根っこを持っているドクダミを見て貰えば分かるように、表面を幾ら刈っても大して意味はない。
かといって引っこ抜いても地下に数センチ根が残っていればその内復活する。

特にヤブガラシなんかは幾ら抜いても欠片さえ残っていれば半永久的に復活するのでイベント戦闘でもしているような気分になる。

しかし何といってもこの丘の一番の特産品は竹の根だ。
熱心にとり除くが、いずれ夏が来ればこのいたちごっこにも限界が来るだろう。
その頃の私は火が付く程忙しくなっているだろうから、何とか今の内に出来ることを確実にやっていかなければならない。
ひとまず低木が育ち日陰を作ってくれるまでの雑草対策もしくは一時凌ぎとして、表土をグランドカバーで覆うことを目標とする。

使う植物はヒメツルソバとヒメイワダレソウだ。どちらも人が制御するのは少し難しいレベルで増えるが、むしろその特性を存分に生かして貰う。
この広さの山を人間一人で下草まで含めて管理するのはとても難しい。だからいっそ全てを覆い尽くさせて雑草と競合して貰う。

これはヒメイワダレソウの苗。販売コーナーの端でしおれていたものだが、非常に立派な根を持っている。
ヒメイワダレソウは草花にしては根を地中深くまで張るので、強めの雑草相手にも簡単に負けるものではないだろう。
一度植えてしまうとそれだけ取り除くのも難しく、下手をすれば低木の根と競合しそうなのは懸念事項だ。

酷い土にヒメイワダレソウを植える。せめて平地なら土壌をどうにかしてあげられるのだが彼らを植えるのは主に斜面なのだ。
雨が降ればグチャグチャになり乾くとカンカンに固くなってひび割れる地獄のような土質である。
ヒメイワダレソウは多湿に弱いのでこの丘でどこまで本領を発揮出来るかは試してみなければ分からない。

斜面や壁面に梯子をかけてヒメイワダレソウを植えていく。
丘の中でもこの箇所は地崩れを直したばかりなので特に早めに対策したい。

斜面より傾斜がきつい壁面にはヒメツルソバを使う。

大体の人間はヒメツルソバを一度は街で見かけたことがあるだろう。
正直植栽として使われているものよりも逸脱して雑草化しているものの方がよく見るレベルだが、それだけの強健さと繁殖力を持っているということだ。
ガチガチとぐにぐにの中間のような駄目と表現する以外にない土壌(壁)に全力で親指を差し込み、開けた穴にヒメツルソバの株分けしたものを突っ込んでいく。

ヒメツルソバは完全な壁面でもよくへばりつき、とにかく長い間花を咲かせるのが良い。
1~2月の霜で殆どの個体は一度枯れて姿を消すが根が残っていれば復活する上、種のばら撒き方と発芽率が尋常ではないので存在を消すことは極めて稀である。
トンネル水路の真横に陣取るレベルで多湿に強く、日陰でも花は減るが葉は繁らせるのでとにかく強健。伊達に町中で雑草をやっていない。

彼らの頑張り次第で安心してこの丘が梅雨を迎えられるかが決まる。
とにかくこまめな除草と株分けでひたすら彼等に協力していこう。

