山中の砂利と瓦礫を取り除く
2020年02月21日

今のこの丘は素晴らしい程に荒れ地そのものだ。
此処をいつかは花の丘にしてやろうと目論んでいるが、その本懐を遂げるには大きな問題が幾つかある。
今回はその内の一つにして最大の問題を解決したい。

何といってもこの丘は土質があまりに酷いのだ。植物にとって命とも呼べる土壌が大変よろしくない。
恩人の母御に聞いてみたところ数十年前は砂利道だったらしく、それが踏まれ続け土に沈んだことで2~50cm程の深さまで漏れなく小石だらけになったらしい。

おもむろに地面にスコップを振り下ろすと硬質の金属音が鳴り響く。ありがちな砂利敷き駐車場の砂利をどけた下の地面とよく似ている。
去年ハゲ山にしようと取り組んでいた時点でどうしようもない土壌だとは思っていたが、改めて向き合ってみると更にどうしようもない。
丁度良いことに私は職業柄初夏辺りまではそこそこ暇なので、朝から晩まで山に篭ることが出来る。
つまり虱潰し的に山の表土を4~50cmほどふるいにかけ、この山中の砂利を取り除くことが出来るのだ。
何事も下地が大事である。このまま妥協して木を植え中途半端に育てた後、やっぱり成長悪いな~なんて思ったところで後の祭り。こういうのは段取りが命なのだ。

ただ、大きな瓦礫が転がり土をふるいにかけるどころではない場所が多々あるので、まずはそこをどうにかしなければいけない。
テミ(でかいチリトリ)に瓦礫をごろごろと乗せては

崖に放り投げる。
この崖は赤い線の部分から90度の壁面だったのだが、山で伐採した剪定ゴミを放り投げている間に坂になった場所である。
他所にも幾つか窪みはあったのだがそこは完全に枝ゴミで埋まり平面になってしまったので、ここが3箇所目のゴミ捨て場になった。
私もタダでやっている以上金をかければ全てが自腹になってしまう為、常にエコを心がけて管理に挑んでいるのだ。

数日かけて山中のごろごろとした瓦礫を取り除き、ようやく砂利土をふるいにかける段階まで作業を進めることが出来た。
スコップを振り降ろす度にガキィィンという音が鳴り響く。とても土を掘る時に鳴る類の音ではない。採掘所にいるような気分になる。

元がほぼ竹林に近い状態になっていただけあってこの山からは竹の根が非常に良く取れる。
レアドロップで短い鉄筋、よく分からないゴミや建築資材なども。

左がふるいをかけて砂利を取り除いた部分で、大体1メートル程進むのに1~2時間程かかる。
深さ40~50cmをふるいにかけるというのは思いのほか時間がかかるものだ。土壌の改良まで視野に入れると冬どころか春が終わるので、今はただ砂利の除去に努める。

アルカリ性200%といった体の実に酷い土だ。それとも長い間受け続けた酸性雨できちんと逆中和されているだろうか。

ひたすらふるいにかける。

土にスコップを何度か振り下ろし、カツンという音が立たなくなったら目安だ。

一区画の砂利の除去が完了した。この狭い範囲の作業だけですらほぼ丸1日かかる。
大分力と体力には自信があるのだが、人間の体自体が脆く長時間行動に向かない。何かを食べてもその内腹が減るしいずれは疲れるし眠くなるのだ。
こういう作業に取り組む度にいつか肉体を機械に取り替えられないものかと心底考えている。

スペースが狭い箇所は土壌の改良も砂利の除去作業と平行して行うことにした。
まずは牛ふんと赤玉土、鹿沼土、石灰をぶちまける。

全体をよくかき混ぜて作業完了。やっていることはマインクラフトの整地作業とあまり変わらない。
このような工程を約1ヶ月昼夜毎日繰り返し、山中の砂利の除去を完了した。これで荒廃した荒れ地からまあマシな荒地くらいには昇華出来ただろう。

