人間の体の限界と石版
2020年06月25日

あんなに綺麗だった防火水槽の上のスペースも

あっという間に自然に飲み込まれていく。
少し手をつけられなかっただけであっという間にこれだ。少なくとも葛とヤブガラシだけは早急に除草しなければならない。

そうしていつものように草刈りをしているとある日気が付いたことがあった。

この石は邪魔ではないか?
丁度市に貸していない、防火水槽の上ではない部分に置いてある。つまりどけないとこの土地を植栽スペースにすることが出来ない。
なんと1メートル以上の長方形でそこそこ場所も取る。非常に邪魔だ。

私は腕力にはかなりの自信がある。
このくらいの石なら動かせるだろうとスコップを突き込んでみたが、結論から言うとテコにする前にスコップの刃先が一瞬曲がった。

それならバールとハンマーでどうにかしてやろうと意気込んでみる。流石にスコップが耐えられる重さではなかった。

いっそ笑えるくらいに動かない。
軽トラくらいならそこそこ気軽に引っ張れる私が全力で掴んでも動かない。
今何かやったか?という幻聴が聞こえてくるレベルで動かない。

筋肉への自信を喪失しながら足りない頭を使って考えてみると、まず石板が埋まっているのが良くないと気が付く。
危うく刃先が曲がりかけたスコップで少しづつ周りを掘ってみる。

そうするとスコップの刃先を一番奥まで差し込めば持ち上げられるようになった。
持ち上げられるようになったなどと書いているが、何とか数センチ持ち上がりますというレベルである。
すかさず周りに転がっている石を挟み込んで沈まないようにした。

数センチ持ち上げる→足で石を石板の下に蹴りこむという工程を繰り返す。

少しづつ持ち上げる。
しかしそもそも作業している場所の真横に道路があるのだから、この石板をユニックで吊り上げれば10分程で終わる作業なのではないか?
大正解だ。最早この時の私は力試しとして意地になっているだけで、人力でやるメリットは全くない。
筋肉が増えると脳みそは隅に押しやられるのだ。

モアイを作るイースター島の人々を頭に思い浮かべながら動かしていく。

ついにひっくり返った。

で、ひっくり返して何なんですか?というと大して何もない。石板の幅分植栽スペースが増えたということくらいだろうか。
気軽に動かせたのならともかく、今使った労力に見合うかというと全く合わない。

何とか意地で貸し出しているスペースの近くまで石板を引っ張り込んだ。
夏になればヘビとかトカゲとかが涼めるだろう。いっそそういう人工魚礁的な意図で石を動かしたということにする。

今は梅雨の時期。梅雨といえばアジサイだ。折角だからアジサイを植える為に石板を動かしたということにする。
HBAホットレッドという赤色系の品種を購入。極端に土壌をアルカリ性にしなくても赤色を出しやすいというが、咲いてみないと分からない。

今日はアジサイを植える為に相当の苦労をして石板を動かすことに成功した。
後々この防火水槽近くのスペースもきちんと綺麗に整地しなければならないだろう。
少なくとも隣から出て来る葛にアジサイが飲み込まれてしまえば終わりである。夏の時期は絶対に一週間以上目を離してはいけない。

